行次西郊作 一百韻 李商隠 150- 169 #22



爾來又三歲,甘澤不及春。
盜贼亭午起,問誰多窮民。
節使殺亭吏,捕之恐無因。
咫尺不相見,旱久多黄塵。」#-21

官健腰佩弓,自言爲官巡。
常恐值荒迥,此輩還射人。
愧客問本末,願客無因循。
郿塢抵陳倉,此地忌黄昏。』#-22
州軍の兵士達は腰に弓矢をおび(携帯)て、お上のために巡察しているのだと自分では申しております。
けれども、人里離れた荒地にまいりましたなら、日常的に恐ろしいことするのです。この兵士達が逆に人を射殺して、盗賊人となるのです。
旅人のお方、この有様、この現状に至った顛末を理解してくれたことを、かたじけなく思います。そして、願わくは、ぐずぐずして一向に改めようとしないこの現状が何とかならないでしょうか。
いまだに夕暮れ時からが禁物なので早く移動してください。


我聽此言罷,冤憤如相焚。
昔聞擧一會,群盜爲之奔。
又聞理與亂,在人不在天。
我願爲此事,君前剖心肝。」#-23


#21
爾来(じらい) 又三載(またさんさい)、甘沢(かんたく) 春に及ばず。
盗賊は亭午(ていご)に起る、誰かと問えば 多くは窮民。
節使はただ亭吏を殺す、之を抽えんとするも恐らく因るところ無けん。
咫尺(しせき)にも相い見えず、旱(ひでり)久しくして黄塵(こうじん)多し。

#22
官健(かんけん)は腰に弓を佩(お)び、自らは官の為に巡ると言う。
常に恐る 荒剋(こうけい)に値(いた)らば、此の輩(やから) 還(かえ)って人を射ん。
愧(は)ず 客の本末を問うを、願わくは客よ 因循(いんじゅん)すること無れ。
郿塢(びお)より陳倉(ちんそう)に抵(いた)る、此の地 黄昏(こういん)を忌(い)む。


#23
我 此の言を聴き罷(おわ)り、冤憤(えんぷん) 相いに焚(や)くが如し。
昔 聞く 一(ひと)りの会(かい)を挙(あ)ぐれば、群盗(ぐんとう) 之が為に奔(はし)れりと。
又聞く 理と乱とは、人に在りて天には在らずと。
我は願う 此の事の為に、君前(くんぜん)に心肝(しんかん)を剖(あら)わし。


 
#22 現代語訳と訳註
(本文) #-22

官健腰佩弓,自言爲官巡。
常恐值荒迥,此輩還射人。
愧客問本末,願客無因循。
郿塢抵陳倉,此地忌黄昏。』


(下し文)#22
官健(かんけん)は腰に弓を佩(お)び、自らは官の為に巡ると言う。
常に恐る 荒剋(こうけい)に値(いた)らば、此の輩(やから) 還(かえ)って人を射ん。
愧(は)ず 客の本末を問うを、願わくは客よ 因循(いんじゅん)すること無れ。
郿塢(びお)より陳倉(ちんそう)に抵(いた)る、此の地 黄昏(こういん)を忌(い)む。


(現代語訳)#22
州軍の兵士達は腰に弓矢をおび(携帯)て、お上のために巡察しているのだと自分では申しております。
けれども、人里離れた荒地にまいりましたなら、日常的に恐ろしいことするのです。この兵士達が逆に人を射殺して、盗賊人となるのです。
旅人のお方、この有様、この現状に至った顛末を理解してくれたことを、かたじけなく思います。そして、願わくは、ぐずぐずして一向に改めようとしないこの現状が何とかならないでしょうか。
いまだに夕暮れ時からが禁物なので早く移動してください。


(訳注)
官健腰佩弓,自言爲官巡。

州軍の兵士達は腰に弓矢をおび(携帯)て、お上のために巡察しているのだと自分では申しております。
官健 衣・糧の官給される州兵を官健という。なお、天下諸道には、みな健児なる州兵がいた。唐の玄宗の御批「唐六典一に見える。自給のための若干の土地が与えられているが俸禄はほとんどないもので、平時にやっと生活できる程度の生活レベルであった。官健も生活にあえいでいたものが多かったのだ。


常恐值荒迥,此輩還射人。
けれども、人里離れた荒地にまいりましたなら、日常的に恐ろしいことするのです。この兵士達が逆に人を射殺して、盗賊人となるのです。
值荒迥 値はそこへ丁度行きあたること。荒迥は人里離れた草原。○還射 矢を射る、人を殺す人にかわること。


愧客問本末,願客無因循。
旅人のお方、この有様、この現状に至った顛末を理解してくれたことを、かたじけなく思います。そして、願わくは、ぐずぐずして一向に改めようとしないこの現状が何とかならないでしょうか。
 かたじけなく思う。○本末 事の次第。ここでは、この有様、現状に至った顛末を理解すること。○因循 1 古い習慣や方法などに従うばかりで、それを一向に改めようとしないこと。また、そのさま。2 思い切りが悪く、ぐずぐずしていること。引っ込み思案なさま。


郿塢抵陳倉,此地忌黄昏。
郿塢のあたりより、陳倉に至るこの一帯でございますが、いまだに夕暮れ時からが禁物なので早く移動してください。
郿塢 陝西省郡県北方にある地名。○陳倉 陝西省宝鶏県の東にある地名。




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