孟郊(孟東野) 孟郊の交遊の詩(1)「求友」
孟郊の長安の交遊者五首(紀 頌之選定)について
「求友」、「択友」、「結交」、「勤友」、「審交」孟郊作
30年近くもその人生のほとんどを科挙試験に費やした特異な人生で誰から見てもおかしくない友情関係はできないであろうはずである。周りの援助によりつづけられたものである、まともな人生観は無かろうというものだ。。
求友
北風臨大海、堅冰臨河面。
北風は冬である大海原に臨み春を待つことになる。清廉潔白を示す堅い氷にたいし、水は東流するのが道理である河面に臨むものなのである。
下有大波瀾、對之無由見。
人生にはその過程でよいこと、悪いことの大きな波乱があるものである、これに対してそれを見ていていちいち理由づけをしないものだ。
求友須在良、得良終相善。
友人を求めるなら根っから良い人物でなければならない。本質的な良い人物が得られれば、死ぬまで仲よくできる。
求友若非良、非良中道變。
友人を求めていたとして、もしも良い人物でなかったら、その良くない人物はきっと途中で心変わりするものだろう。
欲知求友心、先把黄金錬。
普通の人たちが友人を求める心を知ろうとするならば、まず黄金を精錬する門閥を見つけ出すことからということだ。
友を求む
北風 大海に臨み、堅冰 河面に臨む。
下に大波瀾有れども、之に対するに見る由無し。
友を求むるは須らく良に在るべし、良を得れば終に相善し。
友を求めて若し良に非ざれば、非良 中道にて変ず。
友を求むるの心を知らんと欲せば、先づ黄金を把つて錬ぜよ。
交遊者五首(紀 頌之選定) 現代語訳と訳註
(本文) 求友
北風臨大海、堅冰臨河面。
下有大波瀾、對之無由見。
求友須在良、得良終相善。
求友若非良、非良中道變。
欲知求友心、先把黄金錬。
(下し文) 友を求む
北風 大海に臨み、堅冰 河面に臨む。
下に大波瀾有れども、之に対するに見る由無し。
友を求むるは須らく良に在るべし、良を得れば終に相善し。
友を求めて若し良に非ざれば、非良 中道にて変ず。
友を求むるの心を知らんと欲せば、先づ黄金を把つて錬ぜよ。
(現代語訳)
北風は冬である大海原に臨み春を待つことになる。清廉潔白を示す堅い氷にたいし、水は東流するのが道理である河面に臨むものなのである。
人生にはその過程でよいこと、悪いことの大きな波乱があるものである、これに対してそれを見ていていちいち理由づけをしないものだ。
友人を求めるなら根っから良い人物でなければならない。本質的な良い人物が得られれば、死ぬまで仲よくできる。
友人を求めていたとして、もしも良い人物でなかったら、その良くない人物はきっと途中で心変わりするものだろう。
普通の人たちが友人を求める心を知ろうとするならば、まず黄金を精錬する門閥を見つけ出すことからということだ。
(訳注)
北風臨大海、堅冰臨河面。
北風は冬である大海原に臨み春を待つことになる。清廉潔白を示す堅い氷にたいし、水は東流するのが道理である河面に臨むものなのである。
○北風 五行思想で北は冬、海原の蒼は春を示す。寒さに立ちむかう人生訓。○堅冰 氷は清廉潔白を示す。水は東流する。道理と清廉を示す。
下有大波瀾、對之無由見。
人生にはその過程でよいこと、悪いことの大きな波乱があるものである、これに対してそれを見ていていちいちいち理由づけをしないものだ。
○大波瀾 人生にはいろんな出来事がある。○由見 見ていることへの理由づけのこと。
求友須在良、得良終相善。
友人を求めるなら根っから良い人物でなければならない。本質的な良い人物が得られれば、死ぬまで仲よくできる。
○誰かにとって良いというのでは、時代、時期状況によって変化するもの。
求友若非良、非良中道變。
友人を求めていたとして、もしも良い人物でなかったら、その良くない人物はきっと途中で心変わりするものだろう。
○求友 友人を求める。自分が相手に抑止相手もよくするという友人関係の設定ではなく、その性格はその人に備わったものとしている。孟郊の生活環境から普通との違和を感じさせるものである。
欲知求友心、先把黄金錬。
普通の人たちが友人を求める心を知ろうとするならば、まず黄金を精錬する門閥を見つけ出すことからということだ。
○貧乏生活、科挙の試験のための浪人生活が長いための内容である。
詩の前半は儒教精神を表現したものであり、いびつな青春を過ごしてきた人間にとっての友を求めるのである。疑う気持ちをもって求めることでよい朋ができるものであろうか。詩は詩として語を並べた感がしてならないものである。
受験という目標を持った生活の中で本来なら本音の付き合いができるはずのものである。門閥・コネと賄賂で便宜を図られる科挙試験の中で親友が求められたのかというとなかなか難しい。
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