秋浦歌十七首 其十六 漢詩李白特集260/350

秋浦歌十七首其十六
秋浦田舍翁。 采魚水中宿。
妻子張白鷴。 結罝映深竹。

 

秋浦の歌 十七首 其の十六

秋浦の田舎翁(でんしゃおう)、魚(うお)を采()りて水中に宿す。

妻子は白(はくかん)に張(ちょう)し、結(けつしょ)  深竹(しんちく)に映ず。




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秋浦歌十七首 其十六 現代語訳と訳註
(本文) 其十六
秋浦田舍翁。 采魚水中宿。
妻子張白鷴。 結罝映深竹。


(下し文) 其の十六
秋浦の田舎翁(でんしゃおう)、魚(うお)を采(と)りて水中に宿す。
妻子は白鷴(はくかん)に張(ちょう)し、結罝(けつしょ)  深竹(しんちく)に映ず。


(現代語訳)
詩経で周公の叛乱軍征伐のように私も召喚されているけれど、ここ秋浦に留まっているもう初老の田舎爺なのだ、魚を取るように東征して平定しようと出発の準備で真冬にここに留まっているのである。
出征の夫のいない家を守っているここの妻子は、兵士の嫌がる雨、その雨の好きな白鷴を網にかけて捕えようとしている、竹林の奥の方にはっきりとわかるけれど網をしかけているのだ。


(訳注)
秋浦田舍翁。 采魚水中宿。

詩経で周公の叛乱軍征伐のように私も召喚されているけれど、ここ秋浦に留まっているもう初老の田舎爺なのだ、魚を取るように東征して平定しようと出発の準備で真冬にここに留まっているのである。
田舍翁 李白のこと。秋浦に留まっている自分のことを転句の出征兵士の妻子と対比させて表現するものである。○水中宿 五行思想から真冬の河川という意味と川の中ほどにという意味を含む。・宿 詩経の東山、周公が殷の残党を征伐すべく東方に軍を進める。又、同じ詩経の九罭(こあみ)魚を取る網のことを詠いつつ、中央朝廷が周公を呼び戻す時、その地のものがその帰還を惜しむということ。しばらくその地に宿したということに基づく。

妻子張白鷴。 結罝映深竹。
出征の夫のいない家を守っているここの妻子は、兵士の嫌がる雨、その雨の好きな白鷴を網にかけて捕えようとしている、竹林の奥の方にはっきりとわかるけれど網をしかけているのだ。
 鳥を捕える網を張ること。〇白鷴 鶴に似た雨の好きな鳥。江南に産する雉の一種。白い色で、背には細かい黒い紋があって、飼畜できるという。その羽の姿は刀の白刃にも例えられる。詩経『東山』に「鷴鳴于垤、婦歎于室」夫のいない家を守る妻子は部屋の中にいるということに基づいている。○ 鳥や獣を捕える網。ここは、妻子の心意気を言い、出征するものへ檄を飛ばす意味であろう。詩経 『兔罝』
 

解説

李白は詩経のイメージを借りて詠っている。以下に示す解釈は一般的なものだがこれでは、ただ抒情的に解釈するだけで全く意味不明である。
一般の愚訳
秋浦のいなかのじいさんは、魚をとって川の上で夜をあかす。
妻子たちは白いきじを捕ろうとする。網をはっているのが、竹林の奥にくっきりと見える。

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