宮中行樂詞八首其二 李白
- 2012/04/30
- 14:36
宮中行樂詞八首其二 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白143
宮中行樂詞八首 其二
柳色黃金嫩、梨花白雪香。
芽をふき出したばかりの柳の色は、黄金のようにかがやき、しかも見るからにやわらかく若い(玄宗皇帝)。梨の花は、まっ白な雪のよう、しかも、よい香をはなっている(楊太真)。
玉樓巢翡翠、珠殿鎖鴛鴦。
宝玉でかざりたてた楼閣には、うつくしい羽根をもつかわせみの巣がある。真珠をちりばめた御殿には、夫婦仲むつまじいおしどりが、とじこもりの場所である。
選妓隨雕輦、徵歌出洞房。
天子はすぐれた宮妓の者をえらばれ、手ぐるまのあとについて歩くよう命じられる。また、歌手をよびよせて、奥の部屋にいたものに出て来るよう命じられる。
宮中誰第一、飛燕在昭陽。
宮中において美人といえば、誰が第一だろうか。飛燕だ、宮中のはなやいだ昭陽殿に在られるのだ。
芽をふき出したばかりの柳の色は、黄金のようにかがやき、しかも見るからにやわらかく若い(玄宗皇帝)。梨の花は、まっ白な雪のよう、しかも、よい香をはなっている(楊太真)。
宝玉でかざりたてた楼閣には、うつくしい羽根をもつかわせみの巣がある。真珠をちりばめた御殿には、夫婦仲むつまじいおしどりが、とじこもりの場所である。
天子はすぐれた宮妓の者をえらばれ、手ぐるまのあとについて歩くよう命じられる。また、歌手をよびよせて、奥の部屋にいたものに出て来るよう命じられる。
宮中において美人といえば、誰が第一だろうか。飛燕だ、宮中のはなやいだ昭陽殿に在られるのだ。
宮中行楽詞 其の二
柳色(りゅうしょく) 黄金にして嫩(やわら)か、梨花(りか) 白雪(はくせつ)にして香(かんば)し。
玉楼(ぎょくろう)には翡翠(ひすい)巣くい、珠殿(しゅでん)には鴛鴦(えんおう)を鎖(とざ)す。
妓(ぎ)を選んで雕輦(ちょうれん)に随わしめ、歌を徴(め)して洞房(どうぼう)を出(い)でしむ。
宮中(きゅうちゅう) 誰か第一なる、飛燕(ひえん) 昭陽(しょうよう)に在り。
柳色黃金嫩、梨花白雪香。
芽をふき出したばかりの柳の色は、黄金のようにかがやき、しかも見るからにやわらかく若い(玄宗皇帝)。梨の花は、まっ白な雪のよう、しかも、よい香をはなっている(楊太真)。
○柳色 男性を示唆する柳で玄宗。楊は女性を示す。○嫩 物がまだ新しく、若くて、弱い状態。○梨花 女性を示唆する、楊太真(貴楊妃)。
玉樓巢翡翠、珠殿鎖鴛鴦。
宝玉でかざりたてた楼閣には、うつくしい羽根をもつかわせみの巣がある。真珠をちりばめた御殿には、夫婦仲むつまじいおしどりが、とじこもりの場所である。
○玉楼 宝玉でかざり立てた楼閣。○翡翠 かわせみ。うつくしい羽根の鳥。○珠殿 真珠をちりばめた御殿。○鴛鴦 おしどり。おす(鴛)と、めす(鴦)と仲むつまじい鳥。
選妓隨雕輦、徵歌出洞房。
天子はすぐれた宮妓の者をえらばれ、手ぐるまのあとについて歩くよう命じられる。また、歌手をよびよせて、奥の部屋にいたものに出て来るよう命じられる。
〇妓 宮妓、種種の妓芸を演じて人をたのしませる俳優のこと。○雕輦 彫刻をほどこした手ぐるま。〇洞房 奥ぶかい部屋。
宮中誰第一、飛燕在昭陽。
宮中において美人といえば、誰が第一だろうか。飛燕だ、宮中のはなやいだ昭陽殿に在られるのだ。
○飛燕 漢の成帝の愛姫、超飛燕。もとは長安の生れで身分は低かったが、歌や舞がうまく、やせ型の美人で、その軽やかな舞はツバメが飛ぶようであったから、飛燕とよばれた。ある時、おしのびで遊びに出た成帝の目にとまり、その妹とともに宮中に召され、帝の寵愛を一身にあつめた。十余年、彼女は日夜、帝を誘惑したので、しまいに帝は精根つきはてで崩御した。晩年、彼女は不遇となり、さいごには自殺した。彼女は漢代随一の美女とされている。また、やせた美人の代表は漢の趙飛燕、ふとった美人の代表は唐の楊貴妃とされているが、唐詩において趙飛燕をうたうとき、多くの易合、玄宗の後宮における第一人者、楊貴妃そのひとを暗に指す。もっともこの時期は楊太真で、李白が都を追われた後、楊貴妃となる。○昭陽 趙飛燕がすんでいた宮殿の名。
「五言律詩」カテゴリの最新記事
- 盛唐詩 晚泊潯陽望廬山 孟浩然<39> Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -346
- 盛唐詩 游鳳林寺西嶺 孟浩然<38> Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -345
- 盛唐詩 宿桐廬江寄廣陵舊遊 孟浩然<37> Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -347
- 盛唐詩 望洞庭湖贈張丞相 孟浩然<36> Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -343
- 盛唐詩 尋天台山 孟浩然<31> Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -338
- 盛唐詩 寄天台道士 孟浩然<27> Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -334
- 盛唐詩 舟中曉望 孟浩然 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -332
- 盛唐詩 與顏錢塘登障樓望潮作 孟浩然 「峴山懐古」関連 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -330
- 夏日辮玉法師茅齋 孟浩然 「峴山懐古」関連 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -327
- 孟浩然 留別王侍御維)李白「峴山懐古」関連 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -324
- 孟浩然 歲暮歸故園(歳暮帰南山) 李白「峴山懐古」関連 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -323
- 田家元日 孟浩然 李白「峴山懐古」関連 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -316
- 澗南園即時貽皎上入 孟浩然 李白「峴山懐古」関連 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -314
- 過故人莊 孟浩然 李白「峴山懐古」関連 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -311
- 還至端駅前与高六別処 張説 李白「峴山懐古」関連 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -308
「翰林院供奉」カテゴリの最新記事
- さらば長安よ「東武吟」 (出東門后書懷留別翰林諸公 ) 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白180
- 同王昌齡送族弟襄歸桂陽 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白179
- 古風 其三十九 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白178
- 古風 其三十七 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白177
- 翰林讀書言懷呈集賢諸學士 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白176 と玄宗(8)
- 清平調詞 三首 其三 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白162
- 清平調詞 三首 其二 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白161
- 清平調詞 三首 其一 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白160/350
- 宮中行樂詞八首其八 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白149
- 宮中行樂詞八首其七 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白148
- 宮中行樂詞八首其六 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白147
- 宮中行樂詞八首其五 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白146
- 宮中行樂詞八首其四 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白145
- 宮中行樂詞八首其三 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 李白144
- 宮中行樂詞八首 其二 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白143
最新記事
- 長い間ブログを休校している件について (09/01)
- 李太白集 397《太白巻23-02效古二首其一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7573 (04/04)
- 李太白集 396《太白巻二十二40憶東山二首 其二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7568 (04/03)
- 李太白集 395《太白巻二十二39憶東山二首 其一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7563 (03/30)
- 李太白集 394《太白巻二十08杜陵絕句》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7558 (03/29)
- 李太白集 393《太白巻十九18朝下過盧郎中敘舊游》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7553 (03/28)
- 李太白集 392《太白巻十八12金門答蘇秀才》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7548 (03/27)
- 太白集 391《太白巻十九17下終南山過斛斯山人宿置酒》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7543 (03/26)
- 太白集 390《太白巻十六33 送長沙陳太守,二首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7538 (03/25)
- 李太白集 389《太白巻十六32 送長沙陳太守,二首之一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7533 (03/24)
- 李太白集 388《太白巻十六26 送祝八之江東賦得浣紗石》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7528 (03/23)
- 李太白集 387《太白巻十六23-《送白利從金吾董將軍西征》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7523 (03/22)
- 李太白集 386《太白巻十六21 送族弟綰從軍安西》(漢家兵馬乘北風) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7508 (03/19)
- 李太白集 385《太白巻十六18-3-《送外甥鄭灌從軍,三首之三》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7503 (03/18)
- 李太白集 384《太白巻十六18-2 送外甥鄭灌從軍,三首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7498 (03/17)
- 李太白集 383《太白巻十六18-1 送外甥鄭灌從軍,三首之一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7493 (03/16)
- 李太白集 382《太白巻十六13 送張遙之壽陽幕府》 (壽陽信天險,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7488 (03/15)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/14)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/13)
- 李太白集 380《太白巻十六08 送竇司馬貶宜春》 (天馬白銀鞍,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7478 (03/12)
- 李太白集 379《太白巻十四34 贈別王山人歸布山》(王子析道論,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7473 (03/11)
- 李太白集 378《太白巻十二06-夕霽杜陵登樓寄韋繇》 (浮陽滅霽景) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7468 (03/10)
- 李太白集 377《太白巻巻十二05-《望終南山寄紫閣隱者》(出門見南山) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7463 (03/09)
- 李太白集 376《太白巻八36 贈盧徵君昆弟》 (明主訪賢逸) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7458 (03/08)
- 李太白集 375《太白巻八22 贈郭將軍》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7453 (03/07)
- 李太白集 374《太白巻六10-《同族弟金城尉叔卿燭照山水壁畫歌》 (高堂粉壁圖蓬瀛) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7448 (03/06)
- 李太白集 373《太白巻六07 西嶽雲臺歌送丹丘子》 (西嶽崢嶸何壯哉) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7443 (03/05)
- 李太白集 372《太白巻六05 玉壺吟》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7438 (03/04)
- 李太白集 371《太白巻卷六04-《侍從宜春苑,奉詔賦龍池柳色初青,聽新鶯百囀歌》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7433 (03/03)
- 李太白集 370《太白巻五 24-秋思》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7428 (03/02)