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現代語訳が
楽しませていただいてありがとうございます。
現代語訳が、少し気になったのですが。
籐架は「藤棚」
蜜房は「ミツバチの巣」
物華は物と華で、(夏なので)「万物が華やか」。
翫は遊ぶですので、「遊ぶべし」
四時は四六時中と同じような意味で、「いつでも」。
にしたら、分かりやすくなると思います。
漢詩を新しい感覚で解釈し、背景を考え、解説をしていきます。広く浅くではなく、盛唐から晩唐の詩、を中心にみて行きます。
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夏日辮玉法師茅齋 孟浩然
夏日辮玉法師茅齋 孟浩然
夏日茅齋裏,無風坐亦涼。
真夏のある日、茅齋の庵の中にいる。風は吹いていないに座禅をするとそれでまた涼しい。
竹林深筍穊,藤架引梢長。
竹林の奥の方に行くとたけのこが密集して生えている、そして籐の編み込みが木の梢の長いものを引っ張るように掛かっている。
燕覓巢窠處,蜂來造蜜房。
つばめは巣作りの場所を探し求めている、ミツバチは蜜房造りに花の蜜を求めて飛んでくる。
物華皆可玩,花蕊四時芳。
万物、花はすべて注目していくべきである、花の芯が一日中4回の座禅のときにほのかな香りを出してくれている。
(夏日 玉法師の茅齋に辮す)
夏日 茅齋の裏、風無けれども坐すれば亦た涼し。
竹林深筍穊(おお)く、籐架 梢を引きて長し。
鷲は巢窠の庭を覚め、蜂は蜜を造る房に來たる。
物華 皆翫ぶべし、花蕊 四時芳し。
現代語訳と訳註
(本文) 夏日辮玉法師茅齋
夏日茅齋裏,無風坐亦涼。
竹林深筍穊,籐架引梢長。
燕覓巢窠處,蜂來造蜜房。
物華皆可玩,花蕊四時芳。
(下し文) 夏日 辮玉法師の茅齋にて
夏日 茅齋の裏、風無けれども坐すれば亦た涼し。
竹林深筍穊おお)く、籐架 梢を引きて長し。
燕は巢窠の處を覓め、蜂は蜜を造る房に來たる。
物華 皆翫ぶべし、花蕊 四時 芳し。
(現代語訳)
真夏のある日、茅齋の庵の中にいる。風は吹いていないに座禅をするとそれでまた涼しい。
竹林の奥の方に行くとたけのこが密集して生えている、そして籐の編み込みが木の梢の長いものを引っ張るように掛かっている。
つばめは巣作りの場所を探し求めている、ミツバチは蜜房造りに花の蜜を求めて飛んでくる。
万物、花はすべて注目していくべきである、花の芯が一日中4回の座禅のときにほのかな香りを出してくれている。
(訳注)
夏日辮玉法師茅齋
真夏のある日瓣玉法師の齊庵で。
夏日茅齋裏,無風坐亦涼。
真夏のある日、茅齋の庵の中にいる。風は吹いていないに座禅をするとそれでまた涼しい。
○夏日 真夏のある日。○茅齋 茅で作った庵。○裏 部屋の中。○坐 座禅を組む。
竹林深筍穊,籐架引梢長。
竹林の奥の方に行くとたけのこが密集して生えている、そして籐の編み込みが木の梢の長いものを引っ張るように掛かっている。
○竹林 竹林。隠棲生活の常套語。○深 おくぶかい。○筍概 たけのこが密集している。○籐架 籐を編んだものが~にかかっている。木の梢の長いものを引いている。
燕覓巢窠處,蜂來造蜜房。
つばめは巣作りの場所を探し求めている、ミツバチは蜜房造りに花の蜜を求めて飛んでくる。
○燕 つばめ。○覓 もとめる。○巢窠 巣作り。○處 場所。○蜂 みつはち。○蜜房 ミツの蜂の巣。
物華皆可玩,花蕊四時芳。
万物、花はすべて注目していくべきである、花の芯が一日中4回の座禅のときにほのかな香りを出してくれている。
○物華 万物と花華。○翫 物事の意義をよく考える。○花蕊 花のめしべ。 ○四時 ・1年の四つの季節、春夏秋冬の総称。四季。・1か月中の四つの時。晦(かい)・朔(さく)・弦・望。・一日中の4回の座禅の時。早晨(そうしん)(朝午前4時)・晡時(ほじ)(昼午前10時)・黄昏(こうこん)(夕方午後8時)・後夜(ごや)(夜午後8時)の座禅。ここでは一日中の4回の座禅のとき。○芳 芳しい。ほのかな香りがすること。
孟浩然の自然を愛して毎日注視してみている。他の詩人と違うのは、接近してみて、且つ「動」的にとらえているところである。それは、花や木、水、川だけでなく、燕、ミツバチについても「動」的に詠っているのである。そして特徴的なのは、場所の移動、時の移動、そして「深」、「穊」、「引」と本来静的に見ているものを活動的に表現している。活動的に表現することで非常に細やかなものに感じられてくるのである。澗南園の風景を感じさせるものである。ただ単に田園の生活を詠うというものではないのは間違いない。孟浩然の凄い作品というべきものである。
![]() | 夏日辮玉法師茅齋 夏日茅齋裏,無風坐亦涼。 竹林深筍穊,籐架引梢長。 燕覓巢窠處,蜂來造蜜房。 物華皆可玩,花蕊四時芳。 |
夏日 辮玉法師の茅齋にて 夏日 茅齋の裏、風無けれども坐すれば亦た涼し。 竹林深筍穊おお)く、籐架 梢を引きて長し。 燕は巢窠の處を覓め、蜂は蜜を造る房に來たる。 物華 皆翫ぶべし、花蕊 四時 芳し。 |
Author:紀 頌之
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