為焦仲卿妻作-其六(15) 漢の無名氏 漢詩<39> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2581
- 2013/06/25
- 00:32
2013年6月25日 | 同じ日の紀頌之5つのブログ |
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩 | |
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩 | 《龜雖壽》 武帝 魏詩<88-#2>古詩源 巻五 806 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2578 |
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ | |
Ⅱ中唐詩・晩唐詩 | 桃源圖 韓愈(韓退之) <145>Ⅱ中唐詩719 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2579 |
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。" | |
Ⅲ杜甫詩1000詩集 | 《通泉縣署屋壁後薛少保畫鶴》 楽府(五言古詩) 成都6-(25-#2) 杜甫 <488-#2> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2580 杜甫詩1000-488-#2-710/1500 |
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集 不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている | |
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 | |
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩 | |
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 | 摩訶池宴 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-207-73-#67 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2582 |
■今週の人気記事(漢詩の5ブログ各部門) | |
■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex | |
『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332 李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html | |
為焦仲卿妻作-其六(15) 漢の無名氏 漢詩<39> | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2581 |
為焦仲卿妻作-其六(15) 漢詩<158>古詩源 巻三 女性詩
#15為焦仲卿妻作-其六(6)
入門上家堂,進退無顏儀。
蘭芝は実家の門をはいり奥座敷の母のもとにあがったが、その身のこなしは、顔つきからしてさえないようすであった。
阿母大拊掌,不圖子自歸。
母は手のひらを打たいて怒ったのだ、「おまえがこの家に自分から帰って来るなんて思いもしなかった。
十三教汝織,十四能裁衣。
十三のとき、あなたには女の勤めの機織を教え、十四になるともう裁縫することもうまくできました。
十五彈箜篌,十六知禮儀。
十五で箜篌をひけるようにしました、十六では行儀作法をすべてわきまえさせたのです。
十七遣汝嫁,謂言無誓違。
だから十七でおまえを嫁入りさせました。それがまさか誓いにたがうことはあるまいと思おもっておりました。
汝今何罪過,不迎而自歸?
おまえは今なんの不行き届きやダメなところがあったというのですか、どうしてこちらから迎えにもゆかぬのにひとりで帰って来るということになったのですか。(こんな屈辱なことはありません)」
蘭芝慚阿母,兒實無罪過。
蘭芝は恥入って母に答えていうのである。「わたしには実のところ何の落ち度も罪もありません」と。
阿母大悲摧。
母はたいへん悲しんで心がくだけるのである。
#15為焦仲卿妻作-其六(6)
門に入って家堂に上る,進むも退ぞくも顏儀無し。
阿母は大いに掌を拊【う】ち,圖らざりし子が自ら歸える。
十三で汝に織を教え,十四では能く衣を裁つ。
十五で箜篌【くうこう】を彈き,十六では禮儀を知る。十七で汝を遣わして嫁しす,謂【おも】うこと言【ここ】に 誓うこと違【たが】う無からんと。
汝 今 何の罪過ありてか,迎えざるに自ら歸る」と。
蘭芝は阿母に慚づ,兒 實に罪過【ざいか】無し。
阿母 大いに悲摧【ひさい】す。
『為焦仲卿妻作』-其六(6)-1 現代語訳と訳註
(本文) #15為焦仲卿妻作-其六(6)
入門上家堂,進退無顏儀。阿母大拊掌,不圖子自歸。十三教汝織,十四能裁衣。十五彈箜篌,十六知禮儀。十七遣汝嫁,謂言無誓違。汝今何罪過,不迎而自歸?蘭芝慚阿母,兒實無罪過。阿母大悲摧。
(下し文)
門に入って家堂に上る,進むも退ぞくも顏儀無し。
阿母は大いに掌を拊【う】ち,圖らざりし子が自ら歸える。
十三で汝に織を教え,十四では能く衣を裁つ。
十五で箜篌【くうこう】を彈き,十六では禮儀を知る。十七で汝を遣わして嫁しす,謂【おも】うこと言【ここ】に 誓うこと違【たが】う無からんと。
汝 今 何の罪過ありてか,迎えざるに自ら歸る」と。
蘭芝は阿母に慚づ,兒 實に罪過【ざいか】無し。
阿母 大いに悲摧【ひさい】す。
(現代語訳)
蘭芝は実家の門をはいり奥座敷の母のもとにあがったが、その身のこなしは、顔つきからしてさえないようすであった。
母は手のひらを打たいて怒ったのだ、「おまえがこの家に自分から帰って来るなんて思いもしなかった。
十三のとき、あなたには女の勤めの機織を教え、十四になるともう裁縫することもうまくできました。
十五で箜篌をひけるようにしました、十六では行儀作法をすべてわきまえさせたのです。
だから十七でおまえを嫁入りさせました。それがまさか誓いにたがうことはあるまいと思おもっておりました。
おまえは今なんの不行き届きやダメなところがあったというのですか、どうしてこちらから迎えにもゆかぬのにひとりで帰って来るということになったのですか。(こんな屈辱なことはありません)」
蘭芝は恥入って母に答えていうのである。「わたしには実のところ何の落ち度も罪もありません」と。
母はたいへん悲しんで心がくだけるのである。
(訳注)
#15為焦仲卿妻作-其六(6)
入門上家堂,進退無顏儀。
蘭芝は実家の門をはいり奥座敷の母のもとにあがったが、その身のこなしは、顔つきからしてさえないようすであった。、
・無顏儀 顏貌儀容がないという意。ふさぎこんで顔つきのさえぬさま。
阿母大拊掌,不圖子自歸。
母は手のひらを打たいて怒ったのだ、「おまえがこの家に自分から帰って来るなんて思いもしなかった。
十三教汝織,十四能裁衣。
十三のとき、あなたには女の勤めの機織を教え、十四になるともう裁縫することもうまくできました。
・織 税金の基礎であり、良い嫁の尺度となるものである。
十五彈箜篌,十六知禮儀。
十五で箜篌をひけるようにしました、十六では行儀作法をすべてわきまえさせたのです。
・箜篌 古代東アジアで見られたハーブ琴のような弦楽器。癒しとなる女性の不可欠な嗜み。
十七遣汝嫁,謂言無誓違。
だから十七でおまえを嫁入りさせました。それがまさか誓いにたがうことはあるまいと思おもっておりました。
汝今何罪過,不迎而自歸?
おまえは今なんの不行き届きやダメなところがあったというのですか、どうしてこちらから迎えにもゆかぬのにひとりで帰って来るということになったのですか。(こんな屈辱なことはありません)」
蘭芝慚阿母,兒實無罪過。
蘭芝は恥入って母に答えていうのである。「わたしには実のところ何の落ち度も罪もありません」と。
・兒 蘭芝が自分のことを実の母に対して幼い時につかう言葉として使う。嫁ぎ先の義母に対しては、妾をつかう。我、吾は生意気とされる。
阿母大悲摧。
母はたいへん悲しんで心がくだけるのである。
・悲摧 悲しんで心がくだけること。
「古詩源」
- 名都篇 曹植 魏<57-#3> 女性詩712 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2108
- 白馬篇 曹植 魏詩<52-#3>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2028
- 白馬篇 曹植 魏詩<52-#2>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2023
- 白馬篇 曹植 魏詩<52>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2018
- 箜篌引 曹植 魏詩<50-#3>古詩源 巻五 女性詩691 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2003
- 箜篌引 曹植 魏詩<50-#2>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1998
- 箜篌引 曹植 魏詩<50>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1993
- 泰山梁父行 曹植 魏詩・楽府<49>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1988
- 鰕鱓篇 曹植 魏詩<16>玉台新詠・文選楽府 古詩源 巻五 女性詩642 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1785
- 為焦仲卿妻作 (まとめ-3) 漢詩<32>古詩源 巻三 女性詩615 漢文委員会
- 為焦仲卿妻作 (まとめ その-2) 漢詩<32>古詩源 巻三 女性詩615 漢文委員会
- 為焦仲卿妻作 (まとめその1) 漢詩<32>古詩源 巻三 女性詩615 漢文委員会
- 為焦仲卿妻作-其十三(31) 漢詩<174>古詩源 巻三 女性詩614 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1673
- 為焦仲卿妻作-其十二(30) 漢詩<173>古詩源 巻三 女性詩613 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1669
- 為焦仲卿妻作-其十一(29) 漢詩<172>古詩源 巻三 女性詩612 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1665
「女詩・女の生き方」
- 棄婦篇 曹植 魏詩<56-#3> 女性詩709 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2093
- 棄婦篇 曹植 魏詩<56-#2> 女性詩708 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2088
- 棄婦篇 曹植 魏詩<56-#1> 女性詩707 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2083
- 陌上桑行 古詩・漢の無名氏 魏詩<55-#5> 女性詩706 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2078
- 陌上桑行 古詩・漢の無名氏 魏詩<56>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2063
- 為焦仲卿妻作 (まとめ-3) 漢詩<32>古詩源 巻三 女性詩615 漢文委員会
- 為焦仲卿妻作 (まとめ その-2) 漢詩<32>古詩源 巻三 女性詩615 漢文委員会
- 為焦仲卿妻作 (まとめその1) 漢詩<32>古詩源 巻三 女性詩615 漢文委員会
- 為焦仲卿妻作-其十三(31) 漢詩<174>古詩源 巻三 女性詩614 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1673
- 為焦仲卿妻作-其十二(30) 漢詩<173>古詩源 巻三 女性詩613 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1669
- 為焦仲卿妻作-其十一(29) 漢詩<172>古詩源 巻三 女性詩612 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1665
- 為焦仲卿妻作-其十一(28) 漢詩<171>古詩源 巻三 女性詩611 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1661
- 為焦仲卿妻作-其十(27) 漢詩<170>古詩源 巻三 女性詩610 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1657
- 為焦仲卿妻作-其十(26) 漢詩<169>古詩源 巻三 女性詩609 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1653
- 為焦仲卿妻作-#25其十(10)-3 漢詩<168>古詩源 巻三 女性詩608 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1649
- テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
- ジャンル:学問・文化・芸術
- カテゴリ:楽府
- CM:0
最新記事
- 長い間ブログを休校している件について (09/01)
- 李太白集 397《太白巻23-02效古二首其一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7573 (04/04)
- 李太白集 396《太白巻二十二40憶東山二首 其二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7568 (04/03)
- 李太白集 395《太白巻二十二39憶東山二首 其一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7563 (03/30)
- 李太白集 394《太白巻二十08杜陵絕句》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7558 (03/29)
- 李太白集 393《太白巻十九18朝下過盧郎中敘舊游》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7553 (03/28)
- 李太白集 392《太白巻十八12金門答蘇秀才》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7548 (03/27)
- 太白集 391《太白巻十九17下終南山過斛斯山人宿置酒》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7543 (03/26)
- 太白集 390《太白巻十六33 送長沙陳太守,二首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7538 (03/25)
- 李太白集 389《太白巻十六32 送長沙陳太守,二首之一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7533 (03/24)
- 李太白集 388《太白巻十六26 送祝八之江東賦得浣紗石》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7528 (03/23)
- 李太白集 387《太白巻十六23-《送白利從金吾董將軍西征》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7523 (03/22)
- 李太白集 386《太白巻十六21 送族弟綰從軍安西》(漢家兵馬乘北風) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7508 (03/19)
- 李太白集 385《太白巻十六18-3-《送外甥鄭灌從軍,三首之三》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7503 (03/18)
- 李太白集 384《太白巻十六18-2 送外甥鄭灌從軍,三首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7498 (03/17)
- 李太白集 383《太白巻十六18-1 送外甥鄭灌從軍,三首之一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7493 (03/16)
- 李太白集 382《太白巻十六13 送張遙之壽陽幕府》 (壽陽信天險,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7488 (03/15)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/14)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/13)
- 李太白集 380《太白巻十六08 送竇司馬貶宜春》 (天馬白銀鞍,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7478 (03/12)
- 李太白集 379《太白巻十四34 贈別王山人歸布山》(王子析道論,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7473 (03/11)
- 李太白集 378《太白巻十二06-夕霽杜陵登樓寄韋繇》 (浮陽滅霽景) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7468 (03/10)
- 李太白集 377《太白巻巻十二05-《望終南山寄紫閣隱者》(出門見南山) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7463 (03/09)
- 李太白集 376《太白巻八36 贈盧徵君昆弟》 (明主訪賢逸) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7458 (03/08)
- 李太白集 375《太白巻八22 贈郭將軍》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7453 (03/07)
- 李太白集 374《太白巻六10-《同族弟金城尉叔卿燭照山水壁畫歌》 (高堂粉壁圖蓬瀛) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7448 (03/06)
- 李太白集 373《太白巻六07 西嶽雲臺歌送丹丘子》 (西嶽崢嶸何壯哉) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7443 (03/05)
- 李太白集 372《太白巻六05 玉壺吟》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7438 (03/04)
- 李太白集 371《太白巻卷六04-《侍從宜春苑,奉詔賦龍池柳色初青,聽新鶯百囀歌》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7433 (03/03)
- 李太白集 370《太白巻五 24-秋思》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7428 (03/02)