曹植(曹子建) 《情詩》 魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 2936
- 2013/09/04
- 00:34
2013年9月4日 | 同じ日の紀頌之5つのブログ |
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曹植(曹子建) 《情詩》 魏詩 <110> | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 2936 |
建安中の作とし、223年黄初四年
情詩
微陰翳陽景,清風飄我衣。
うすい雲が太陽の光をかげらせている、秋の初めのすずやかな風が私のきものをひらひらさせる。
游魚潛淥水,翔鳥薄天飛。
水に遊ぶ魚は縁りなす澄み切った水にひそんでいるものであり、高い空をかける鳥というものはあの臼雲の上を高く自由に飛んでいくのである。
眇眇客行士,徭役不得歸。
だが、はるかかなたに出征した軍人は、遠距離の公務をおびた旅であり、帰ることができない。
始出嚴霜結,今來白露晞。
兵士が出発するのは、きびしい霜柱がたちはじめる晩秋九月の頃であるが、今また秋はめぐりくる白い露が寒さにかわいて霜を結ぶ頃になってくる。
遊者歎黍離,處者歌式微。
旅人は『詩経』「黍離」の詩になげきをよせるのであり、家で留守居をする者は、「式微」の詩を歌って、どうして帰えれないのかと悲しむものである。
慷慨對嘉賓,悽愴內傷悲。
私はたかぶる感情をいだきつつ、このましいお客の前に坐っている。いたましくて、心のうちはやぶれんばかりである。
情詩
徴陰 陽景を翳くし、清風 我が衣を飄えす。
遊魚は淥水に潜み、翔鳥は天に薄りて飛ぶ。
眇眇たり客行の士、徭役して帰るを得ず。
始め出でしとき厳霜結び、今来れば 白露晞く。
遊者は黍離を歎じ、処る者は式微を歌う。
慷慨して嘉賓に対し、悽愴して内に傷悲す。
『情詩』 現代語訳と訳註
(本文) 情詩
微陰翳陽景,清風飄我衣。
游魚潛淥水,翔鳥薄天飛。
眇眇客行士,徭役不得歸。
始出嚴霜結,今來白露晞。
遊者歎黍離,處者歌式微。
慷慨對嘉賓,悽愴內傷悲。
(下し文) 情詩
徴陰 陽景を翳くし、清風 我が衣を飄えす。
遊魚は淥水に潜み、翔鳥は天に薄りて飛ぶ。
眇眇たり客行の士、徭役して帰るを得ず。
始め出でしとき厳霜結び、今来れば 白露晞く。
遊者は黍離を歎じ、処る者は式微を歌う。
慷慨して嘉賓に対し、悽愴して内に傷悲す。
(現代語訳)
うすい雲が太陽の光をかげらせている、秋の初めのすずやかな風が私のきものをひらひらさせる。
水に遊ぶ魚は縁りなす澄み切った水にひそんでいるものであり、高い空をかける鳥というものはあの臼雲の上を高く自由に飛んでいくのである。
だが、はるかかなたに出征した軍人は、遠距離の公務をおびた旅であり、帰ることができない。
兵士が出発するのは、きびしい霜柱がたちはじめる晩秋九月の頃であるが、今また秋はめぐりくる白い露が寒さにかわいて霜を結ぶ頃になってくる。
旅人は『詩経』「黍離」の詩になげきをよせるのであり、家で留守居をする者は、「式微」の詩を歌って、どうして帰えれないのかと悲しむものである。
私はたかぶる感情をいだきつつ、このましいお客の前に坐っている。いたましくて、心のうちはやぶれんばかりである。
私はたかぶる感情をいだきつつ、このましいお客の前に坐っている。いたましくて、心のうちはやぶれんばかりである。
(訳注)
情詩
「王台新詠」には「雑詩」とある。この詩は、故郷を遙か離れて旅に出ている者が、その望郷の思い、また留守居の妻の行役中の夫に対する思慕の情をベースにおいて、兄文帝に対しての忠誠を誓ったのを詠ったものである。
この詩の制作時期は建安中の作とし、223年黄初四年の作である。
微陰翳陽景,清風飄我衣。
うすい雲が太陽の光をかげらせている、秋の初めのすずやかな風が私のきものをひらひらさせる。
・陰 かげ。雲。
・翳 かげらす、おおう。
・陽景 太陽の光。
游魚潛淥水,翔鳥薄天飛。
水に遊ぶ魚は縁りの澄み切った水にひそんでいるもおであり、高い空をかける鳥というものはあの臼雲の上を高く自由に飛んでいくのである。
眇眇客行士,徭役不得歸。
だが、はるかかなたに出征した軍人は、遠距離の公務をおびた旅であり、帰ることができない。
・眇眇 はるかなさま。
・徭役 遠距離の公務をおびた旅行。従軍の旅。
始出嚴霜結,今來白露晞。
兵士が出発するのは、きびしい霜柱がたちはじめる晩秋九月の頃であるが、今また秋はめぐりくる白い露が寒さにかわいて霜を結ぶ頃になってくる。
・嚴霜結 きびしい霜柱がたつことで、時節からいえば、晩秋から冬にかけての間がそれに当る。「楚辞」九弁(宋玉の作)には「秋既先戒以白露兮,冬又申之以嚴霜。」秋既に先ず戒めるに白露を以ってし、冬又之に申ぬるに嚴霜を以ってす」と見える。九弁に従えば、その時期は冬のことである。『為焦仲卿妻作』「今日大風寒,寒風摧樹木,嚴霜結庭蘭。」でも冬に使う。ここは夏の終わりから冬になって行く時間の経過をあらわす。
しかし「礼記」月令には「是の月(季秋とはすなわち陰暦の九月をさす)や、霜始めて降り」と見える。その時期を、月令に従って陰暦の九月のことと考えられる。ただ、この時の戦いは魏は220年までに曹操が北方を制覇しており、この前年より呉にたいする挑発威嚇の出兵をしている時期であることから真冬の事となる。。
・白露晞 白い露がかわいて霜となる。と、晞はかわく。『詩経、國風』秦風、蒹葭「蒹葭萋萋、白露未晞。所謂伊人、在水之畔」(蒹葭は萋萋たり、白露未だ晞かず、所謂伊の人、水の畔に在り。)と見え、部箋に「未だ蹄かずとは、未だ霜と為らざるなり」という。
遊者歎黍離,處者歌式微。
旅人は『詩経』「黍離」の詩になげきをよせるのであり、家で留守居をする者は、「式微」の詩を歌って、どうして帰えれないのかと悲しむものである。
・黍離 「詩経」王風の篇名。毛序によれば、「周の大夫行役して宗周に至り、故の宗廟・宮室を過ぐるに、尽く未黍と為れり。周室の転覆を悼み、彷徨して去くに忍びずして、この詩を作れり。」という。兄の死を悲しみで作ったものと解するという説もある。
・式微 「詩経」邶風の篇名。毛序では、黎侯が故国より追われ、衛の国に寓居していた時、彼の臣が帰国をすすめたもの、という。その詩に「式くて微【おとろ】え、式くて微う、胡んぞ帰らざる。」という一節がある。即位して間もない文帝に自己の忠節のかわらぬことを訴えたものと見ている。曹植が「歌式微」といったのは、この式微の詩が「胡不帰」の三字を含むが故に、家で帰りを待つ者が歌う詩として適当なものであるからである。
慷慨對嘉賓,悽愴內傷悲。
私はたかぶる感情をいだきつつ、このましいお客の前に坐っている。いたましくて、心のうちはやぶれんばかりである。
・慷慨【こうがい】1 世間の悪しき風潮や社会の不正などを、怒り嘆くこと。「社会の矛盾を―する」「悲憤―」2 意気が盛んなこと。・促管 笛の音が急なこと。
・嘉賓 このましいお客。
・悽愴 いたみかなしむ。
・內傷悲 心のうちはやぶれんばかりである
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