曹植(曹子建) 《雜詩六首 其一》 魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 2941
- 2013/09/05
- 00:34
2013年9月5日 | 同じ日の紀頌之5つのブログ |
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曹植(曹子建) 《雜詩六首 其一》 魏詩 <111> | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 2941 |
雑詩六首 其一
高臺多悲風。朝日照北林。
この鄄城にも秋の強い風が毎日あたるようになってきている。ここに照る朝日が北の最果ての欝欝たる北林を同じように照らしている。
之子在萬里。江湖迥且深。
弟の曹彪ははるか万里の先にいったままでいる、君との間には大江、湖沼が横たわっており、遙か先であり、奥深い所であるという。
方舟安可極。離思故難任。
舟を並べて渡ろうとしても、とても行けるものでもないし、そうとは思いながらも、離ればなれに住むことは、堪え難い思いでいるのだ。
孤雁飛南遊。過庭長哀吟。
群れを離れた一羽の雁が南をめざしていることをおもいだし、庭のはるか上の空を横切って飛び過ぎて、声長く哀しげに鳴くのをきくのである。
翹思慕遠人。願欲託遺音。
私の感情はつのり、遠方の君の事を慕わしくおもい起こすのだ。せめてこの意を雁に伝言として託したいと思うのた。
形影忽不見。翩翩傷我心。
その雁の形も影も忽ち我が視界から消えてしまう。それから、どっと私の心は悲しみにおそわれるのだ。
高臺【こうだい】悲風多し、朝日北林を照らす。
之の子萬里に在り、江湖迥に且つ深し。
舟に方ぶるも安んぞ極る可き、離思故より任へ難し。
孤雁飛んで南に遊ぶ、庭を過ぎりて長く哀吟す。
思を翹【あ】げて遠人を慕う、願はくは遺音【いおん】を託せんと欲す。
形影忽ち見えず、翩翩【へんぺん】として我が心を傷ましむ。
『雑詩六首』 其一 現代語訳と訳註
(本文) 雑詩六首 其一
高臺多悲風。朝日照北林。
之子在萬里。江湖迥且深。
方舟安可極。離思故難任。
孤雁飛南遊。過庭長哀吟。
翹思慕遠人。願欲託遺音。
形影忽不見。翩翩傷我心。
(下し文)
高臺【こうだい】悲風多し、朝日北林を照らす。
之の子萬里に在り、江湖迥に且つ深し。
舟に方ぶるも安んぞ極る可き、離思故より任へ難し。
孤雁飛んで南に遊ぶ、庭を過ぎりて長く哀吟す。
思を翹【あ】げて遠人を慕う、願はくは遺音【いおん】を託せんと欲す。
形影忽ち見えず、翩翩【へんぺん】として我が心を傷ましむ。
(現代語訳)
この鄄城にも秋の強い風が毎日あたるようになってきている。ここに照る朝日が北の最果ての欝欝たる北林を同じように照らしている。
弟の曹彪ははるか万里の先にいったままでいる、君との間には大江、湖沼が横たわっており、遙か先であり、奥深い所であるという。
舟を並べて渡ろうとしても、とても行けるものでもないし、そうとは思いながらも、離ればなれに住むことは、堪え難い思いでいるのだ。
群れを離れた一羽の雁が南をめざしていることをおもいだし、庭のはるか上の空を横切って飛び過ぎて、声長く哀しげに鳴くのをきくのである。
私の感情はつのり、遠方の君の事を慕わしくおもい起こすのだ。せめてこの意を雁に伝言として託したいと思うのた。
その雁の形も影も忽ち我が視界から消えてしまう。それから、どっと私の心は悲しみにおそわれるのだ。
(訳注)
雑詩六首 其一
曹操の死後、鄄城にあって221-222(黄初二.三年)のころ作ったものとされる。鄄城県(けんじょう-けん)は現在の山東省菏沢市に位置する県。曹植の異母弟である曹彪を思って作ったといわれるものである。
高臺多悲風。朝日照北林。
この鄄城にも秋の強い風が毎日あたるようになってきている。ここに照る朝日が北の最果ての欝欝たる北林を同じように照らしている。
・高臺 鄄城の幕府・政治処。
・悲風 秋の強い風。宋玉『九辨』「悲哉秋之為氣也!蕭瑟兮草木搖落而變衰」、魏 武帝『苦寒行』「北上太行山,艱哉何巍巍! 羊腸阪詰屈,車輪為之摧。 樹木何蕭瑟,北風聲正悲!」とある。これ以降、蕭瑟、悲愁、惆悵がセットのように使われる。特に宋玉『九辨』は「悲秋」感情のバイブルのようなものである。『古詩十九首之第十四首』「去者日以疏,生者日已親。出郭門直視,但見丘與墳。古墓犁為田,松柏摧為薪。白楊多悲風,蕭蕭愁殺人!思還故里閭,欲歸道無因。・北林 遠く北の果ての林
『詩経、秦風、』晨風 鴪彼晨風.鴥彼晨風.鬱彼北林.未見君子.憂心欽欽.如何如何.忘我實多山有苞櫟.隰有六駮.未見君子.憂心靡樂.如何如何.忘我實多」とある。また、魏文帝『又清河作一首』「方舟戲長水,湛淡自浮沈。弦歌發中流,悲響有餘音。音聲入君懷,淒愴傷人心。心傷安所念,但願恩情深。願為晨風鳥,雙飛翔北林。」
之子在萬里。江湖迥且深。
弟の曹彪ははるか万里の先にいったままでいる、君との間には大江、湖沼が横たわっており、遙か先であり、奥深い所であるという。
・之子在萬里 この頃弟の曹彪が袁紹の残党を追って幽州以北討伐軍を出していた。
・江湖 黄河、濟河、大甄潭など。
方舟安可極。離思故難任。
舟を並べて渡ろうとしても、とても行けるものでもないし、そうとは思いながらも、離ればなれに住むことは、堪え難い思いでいるのだ。
・方舟 はこぶね。船頭も輓男もいない様子を云う。魏文帝『又清河作一首』「方舟戲長水,湛淡自浮沈。弦歌發中流,悲響有餘音。」
孤雁飛南遊。過庭長哀吟。
群れを離れた一羽の雁が南をめざしていることをおもいだし、庭のはるか上の空を横切って飛び過ぎて、声長く哀しげに鳴くのをきくのである。
・過庭 庭から見える範囲の空。
・長哀吟 雁が鳴くように私も詩を詠って泣くのだ。
翹思慕遠人。願欲託遺音。
私の感情はつのり、遠方の君の事を慕わしくおもい起こすのだ。せめてこの意を雁に伝言として託したいと思うのた。
形影忽不見。翩翩傷我心。
その雁の形も影も忽ち我が視界から消えてしまう。それから、どっと私の心は悲しみにおそわれるのだ。
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