227 《洛橋晚望》 孟郊 唐宋詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3461
- 2013/12/18
- 00:32
227 《洛橋晚望》 孟郊 唐宋詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3461
洛橋晚望(孟郊 唐詩)
天津橋下冰初結,洛陽陌上人行絕。
天が抜けるように寒くなっていく洛橋のたもとの船着き場に今年初めて氷が張って居る。落葉に向かう大通りに行き交う人が全くいない。
榆柳蕭疏樓閣閑,月明直見嵩山雪。
楡や柳の木々はすっかり落葉してさびしいものであり、そこにたたずむ樓閣も静かである。月は明るく照らしており、嵩山の雪は庭に出て率直に見上げるものである。(月夜には香爐峰ではないのだから部屋の中から簾を挙げてみるものではない)
天なる津【つ】橋の下【もと】に 冰 初めて結び,洛陽 陌に上る 人の行く絕ゆ。
榆柳【にれとやなぎ】蕭疏【しょうそ】して樓閣は閑【しずか】なり,月明るくして直ちに見る嵩山の雪。
現代語訳と訳註
(本文)
洛橋晚望
天津橋下冰初結,洛陽陌上人行絕。
榆柳蕭疏樓閣閑,月明直見嵩山雪。
(下し文)
洛橋で晚に望む
天なる津【つ】橋の下【もと】に 冰 初めて結び,洛陽 陌に上る 人の行く絕ゆ。
榆柳【にれとやなぎ】蕭疏【しょうそ】して樓閣は閑【しずか】なり,月明るくして直ちに見る嵩山の雪。
(現代語訳)
天が抜けるように寒くなっていく洛橋のたもとの船着き場に今年初めて氷が張って居る。落葉に向かう大通りに行き交う人が全くいない。
楡や柳の木々はすっかり落葉してさびしいものであり、そこにたたずむ樓閣も静かである。月は明るく照らしており、嵩山の雪は庭に出て率直に見上げるものである。(月夜には香爐峰ではないのだから部屋の中から簾を挙げてみるものではない)
(訳注)
洛橋晚望
・孟東野詩集卷376_16
・孟郊(751~814),字東野。唐代詩人。諡は貞曜先生という。
・湖州武康(浙江省)の出身。狷介不羈で人嫌いのために、若い頃は河南省嵩山に隠れた。798年、50歳の時に三度目で進士に及第し、江蘇省溧陽の尉となった。一生不遇で、憲宗の時代に没する。
・洛陽で韓愈、盧仝らと韓愈の門下となる。この頃子供を亡くし韓愈との親交がさらに深まる。洛橋のたもとの樓閣で宴を持った時の作品。その時の勧誘の作品は以下である。
祖席 前字 韓愈
送王涯徙袁州刺史作
祖席洛橋邊,親交共黯然。
野晴山簇簇,霜曉菊鮮鮮。
書寄相思處,杯銜欲别前。
淮陽知不薄,終願早回船。
莎柵聯句
冰溪時咽絕,風櫪方軒舉。 -〈韓愈〉
此處不斷腸,定知無斷處。 -〈孟郊〉
天津橋下冰初結,洛陽陌上人行絕;
天が抜けるように寒くなっていく洛橋のたもとの船着き場に今年初めて氷が張って居る。落葉に向かう大通りに行き交う人が全くいない。
・天津 橋のたもとに船着き場があり、寒空の船着き場というように解釈できる。
・橋 洛橋,河南省洛陽西南にあって洛水に架した石橋。眼鏡橋で現在も一部断片が残っているが、隋の煬帝が作らせたもの。劉廷之『公子行』「天津橋下陽春水,天津橋上繁華子。馬聲廻合青雲外,人影搖動綠波裏。・・・・・・」(天津の橋下は陽春の水なり,天津の橋上は繁華の子なり。馬聲廻合して青雲の外,人影搖動して綠波の裏。・・・・・・)とあり、孟郊はこの詩を意識し、まったく真逆のシチュエーションを詠う。
参考: 公子行 劉希夷(劉廷芝)初唐詩人。公子行 劉希夷(劉廷芝) (1) 初唐
天津橋下陽春水,天津橋上繁華子。
馬聲廻合青雲外,人影搖動綠波裏。
綠波蕩漾玉爲砂,青雲離披錦作霞。
可憐楊柳傷心樹,可憐桃李斷腸花。
此日遨遊邀美女,此時歌舞入娼家。
娼家美女鬱金香,飛去飛來公子傍。
的的珠簾白日映,娥娥玉顏紅粉妝。
花際裴回雙蛺蝶,池邊顧歩兩鴛鴦。
傾國傾城漢武帝,爲雲爲雨楚襄王。
古來容光人所羨,況復今日遙相見。
願作輕羅著細腰,願爲明鏡分嬌面。
與君相向轉相親,與君雙棲共一身。
願作貞松千歳古,誰論芳槿一朝新。
百年同謝西山日,千秋萬古北邙塵。
榆柳蕭疏樓閣閑, 月明直見嵩山雪。
楡や柳の木々はすっかり落葉してさびしいものであり、そこにたたずむ樓閣も静かである。月は明るく照らしており、嵩山の雪は庭に出て率直に見上げるものである。(月夜には香爐峰ではないのだから部屋の中から簾を挙げてみるものではない)
・蕭疏:樹木の葉が落ち淋しくなった様子。蕭疏冷落,稀稀落落。花草樹木都已枯萎凋謝。形容深秋景象。 【出處】:《晉祠》:“春日黃花滿山,徑幽香遠;秋來草木蕭疏,天高水清。
庭は月明かりで霜が降り雪のように真っ白であった。静かな夜に嵩山を眺めるには、庭先に出てみるのが一番だということであろう。孟郊に数少ない七言の詩であり、白居易(772年~ 846年)の向こうを張って作ったものであろうか。
香爐峰下、新卜山居、草堂初成、偶題東壁
日高睡足猶慵起、小閣重衾不怕寒。
遺愛寺鐘欹枕聽、香爐峰雪撥簾看。
匡廬便是逃名地、司馬仍爲送老官。
心泰身寧是歸處、故郷何獨在長安。
(香炉峰下 新たに山居を卜し、草堂初めて成り 偶たまたま東壁に題す)
日高く睡り足れるも猶お起くるに慵く、
小閣に衾を重ねて寒さを怕れず。
遺愛寺の鐘は枕を欹そばだてて聴き、
香炉峰の雪は簾を撥かかげて看る。
匡廬きようろは便ち是れ名を逃るるの地、
司馬は仍なお老いを送るの官為り。
心泰く身寧やすらかなるは是れ帰する処、
故郷何ぞ独り長安にのみ在らんや。
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